新年のご挨拶(2009年)
2009年講師研修会より
皆様、あけましておめでとうございます。昨年度は、大変お世話になりました。グローバルテクノの社員ともども感謝申し上げます。今年も新年早々、弊社恒例の講師研修会にお集まりいただきまして誠にありがとうございます。
2008年は、かつてわれわれ誰もがこれまで経験したこのないような激動の年でありました。振り返ってみますと、まさに100年に一度といわれるほどの歴史的な大変化の年でありました。歴史を塗り替えるような数々の大事件が勃発しました。
アメリカにおいては、政治の方面では、“Change“を旗印とした民主党のオバマ氏が黒人出身として初の大統領選挙に当選し、歴史的出来事となっております。社会面では、「超格差社会」となり、ホームレス・飽食・メタボ社会などと矛盾に満ちた社会構造となっております。経済の面では、原油価格は年初の100ドルから最高潮の150ドルへと高騰そして40ドル前後へ急落するなど、実需価値からあまりにもかけ離れた異常事態が起りました。マネーゲームによるギャンブル的な経済社会となっています。サブプライムローンで経営危機に陥っている銀行・保険・証券業界、投資銀行の破綻などで世界的に金融市場の崩壊、株式市場の暴落・ドル安などを招き世界同時不況の震源地となりました。数々の名門・伝統ある企業を始めとして、自動車産業で世界を牽引してきたGMまでが存亡危機に陥り、政府の救済を必要としております。
日本においては、政治の世界では、たった一年の短期間で、首相が次々と代わるという異常事態で、政治が混迷し、自民党政権の末期症状となっています。社会面では、民のみでなく官による経済不祥事が次々と明らかになり、また、少子化、高齢化、年金問題など社会・福祉・医療などの課題が山積し、社会不安を招いております。経済面では、企業の大幅な減収が取りざたされ、昨年の決算では、2兆円の経常利益を稼ぎ出したあのトヨタでさえも、急激な円高と自動車産業の失速により、当期は創業以来の1,800億円の営業赤字になる見通しとなっています。企業の倒産、規模の縮小、リストラにより職を失った派遣労働者が社会問題化し、社会不安を招いております。不動産の下落に始まり、急激な円高、米国を上回る株式市場の大暴落などにより、株式市場だけでも200兆円の金融資産が消滅しました。
取り上げればきりがありませんが、歴史的に見れば、時代の変換期の谷間に見られることが連鎖的に次々と起っております。1992年の日本のバブル崩壊は、日本一国の経済問題で、世界的な規模に発展することはありませんでした。その後、IT産業革命によるインターネット・情報産業の急速な発展、そしてアメリカを中心とした金融市場ではサブプライムローン、デリバティブなどの独創的な、今となっては、まがい物、インチキな金融商品の開発が進みました。多くの人々が、人類は汗をかくことなく豊かになれるという幻想社会に知らず知らずに引き込まれたような気がします。その結果、実体経済とあまりにもかけ離れた生産性のないギャンブル社会に世界の国々が巻き込まれました。アメリカ主導の下、金融工学を駆使して作り上げた金融市場は、一気に水蒸気的爆発を起こし崩壊してしまいました。世界経済を引っ張るアメリカの金融市場の崩壊は、実体経済にも大きく影響を及ぼし世界経済が混乱しました。
アメリカを震源とする経済大地震は、世界を揺るがし、地理的には震源地から遠い日本でも、大津波によってアメリカ経済よりも大打撃を受けています。米国は実体経済とかけ離れたバーチャルな経済で世界中から金を集めて富を稼ぎました。これによりアメリカは贅沢三昧でアメリカンドリームを夢見る格差社会を作りあげました。しかし、それは幻想社会であり、今それが崩れ落ちております。超メタボの国となって崩壊しつつあります。それをさせ、追従した国々の被害は、甚大であり、その結果、世界の経済を揺るがす結果となっています。アメリカでは、経営者の平均報酬も桁外れ、トッププロスポーツマンもしかり、その組織の平均賃金の50~100倍という超格差社会になっています。中には1,000倍という途方もない報酬を受け取っているCEO、トッププロスポーツマンの出現などアメリカ型社会は、修正を余儀なくされています。実体経済からかけ離れた仮想現実社会、ギャンブル的金融経済システムは、大きな転換期を迎えています。
われわれは、どの時代であっても、新年を迎えるたびに、今年は、昨年より良い年であるようにと祈りをささげ、希望を持ち続けます。どのような経済環境であっても、ピンチはチャンスです。閉まる扉があれば開く扉もあります。壊れるものがあれば新しく生まれるものもあります。夕日が沈めば希望の朝日が昇ります。この地球の全ての生物は、新陳代謝で成り立っています。
これからの波乱の時代を生き抜くためには、私達は、しっかりと前を向き希望を持って一丸となって誰よりも努力するしかありません。私達は、マネジメントの基本であるPDCAをまわし、習慣化し、進化していくことで、事業を発展させ幸福な人生を追求していきたいと思います。