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ISOとは

審査登録制度とは何か

審査登録のメリット

ISO 9001及びISO 14001には、規格への適合を第三者機関が認証する「審査登録制度」が存在する。テレビCMや店頭で目にする「ISO 9001認証取得」、「当店はISO 14001を認証取得しています」などの宣伝コピーがこれである。この制度は民間による任意制度であるため企業に認証取得を義務づけるものではないが、製品やサービスの品質問題、環境問題がクローズアップされる中、多くの企業・組織が認証取得を果たしている。認証取得によって得られるメリットとして、当初は他社との差別化、取引間での監査の簡略化、品質/環境管理体制の確立などがあげられていたが、昨今では経営ツールとしての期待も大きい。規格自体は、経営面まで踏み込んだ内容ではないもののPDCAサイクルによる経営体質改善への期待は、大きくなっている。

審査登録の方法

審査登録は、「審査登録機関」と呼ばれる第三者機関に、マネジメントシステム文書とそれに基づく運用システムについて規格要求事項への適合を審査してもらうものである。適合が確認されれば登録され、適合組織には認定マーク(日本の場合はJABマーク)付の認定証が発行される。認定マークは、自社の会社案内、宣伝資料、名刺などに使用することができる。ただし、マネジメントシステム審査登録は、製品認証ではなく、システム認証であるため、製品自体に認定マークを貼付することは禁じられている。

審査登録の現状

ISO 9001の国内認証件数は44,518件(JAB:2019年2月時点)。また全世界では1,058,504件、となっている(The ISO Survey:2017年12月時点)。国内の業種別取得傾向としては、建設、基礎金属・加工金属製品、電気的及び工学的装置、機械・装置、ゴム製品・プラスチック製品の順となっている。建設業においては、ISO 9001取得を公共工事の入札要件となり、地方自治体においても、経営審査事項の加点対象としたことから普及した。また、規格自体は製造業向けの品質保証システムとして開発されたものの、サービス業に対する有効性も評価されており、現在では病院、自治体、大学、ホテルなどでも取得している。 一方、ISO 14001は国内認証件数が25,546件(同)。全世界では362,610件(同)となっている。国内の業種別取得傾向としては、建設、基礎金属・加工金属製品、卸売業・小売業、電気的及び工学的装置、ゴム製品・プラスチック製品、機械・装置の順となっている。取組みやすさからかサービス業の認証取得が製造業を圧倒し、中でも地方自治体が政府方針などから相次いで認証取得を果たしたことが特徴的である。しかし、環境負荷の少ないサービス業においては「紙・ごみ・電気」といわれる定番の環境改善活動がマンネリ化しており、新たな活動への展開を望む声は大きい。

関連する機関の役割

審査登録制度の体制

ISOの審査登録制度は、民間ベースで行われてはいるが、規格作成と同様に国際的なルールに基づいた制度により運用されている。各国には制度を公平かつ円滑に運営するための認定機関が設立されており、日本では(財)日本適合性認定協会(JAB)がこれにあたる。

  • 認定機関:審査登録機関、審査員評価登録機関の認定業務及び認定した機関及び審査登録された組織の登録、公開(原則1国1機関)
  • 審査登録機関:認証取得を希望する企業・組織に対して審査登録を行う機関
  • 要員認証機関(審査員登録機関):審査登録機関が行う審査の審査員を評価・登録し、資格を付与する機関
  • 審査員研修機関:審査員資格の取得条件である審査員研修コースを実施する機関

国際的な運用ルール

審査登録制度は、前述のとおり国際的ルールに基づき運営されている。ルールとなるのはISO/CASCO(適合評価委員会)が発行するISO/IECガイドと呼ばれる各機関の認定基準である。このガイドに従い、認定・審査などを行うことが求められている。また、各国内での認証取得を国際的に通用させる制度も確立されている。各国認定機関の技術的レベルの整合を目的に設立されたIAF(国際認定機関フォーラム)が、その役目を担う。IAFでは、技術レベル整合のため、前出のISO/IECガイド適用のためのガイダンス文書を作成するとともに、認定機関間の相互認証協定(MLA)の締結を積極的に進めている。JABをはじめとした機関が相互承認グループを形成しており、それにより各国で行われた審査登録はすべて同等のものと見なされる。

認定制度(JAB、RAB、UKAS)

(財)日本適合性認定協会(JAB)は日本国でISO 9000、ISO 14000関連の審査登録(認証)を行う唯一の認定機関です。米国ではRAB(Registrar of Accreditation Board)が行っています。英国ではUKAS(United Kingdom Accreditation Service)が認証機関の認定を行っています。

審査員とは何か

審査員の種類と資格

ISO 9001またはISO 14001の審査(監査)には三種類ある。一つ目は、規格要求事項として組織内部で行う「第一者監査(内部監査)」。二つ目は、顧客が供給者を監査する「第二者監査」。三つ目は、審査登録機関による認証のための「第三者審査」である。一般的に、第一者、第二者を「監査」と呼び、第三者を「審査」と呼ぶ。

内部監査員

内部監査員の認定については、一般的に各企業が内部監査員の認定基準を定めている。規定類には内部監査の手順をはじめとする内部監査の資格認定基準や教育・訓練方法を確立しておく必要があり、一般的には審査員研修機関が開催する「内部監査員養成コース」などの外部研修受講を認定基準とするケースが多い。

審査員

第三者審査員については、資格登録制度が存在する。ISO 9001審査員については、(一財)日本規格協会 マネジメントシステム審査員評価登録センター(JRCA)が、ISO 14001審査員については(一社)産業環境管理協会 環境マネジメントシステム審査員評価登録センター(CEAR)が、それぞれJABの認定を受け、審査員評価登録業務を行っている。ISO 9001、ISO 14001ともに審査員資格としては、審査員補、審査員、主任審査員のレベルがある。審査員補は、正式な審査員ではなくアシスタントの立場で、審査に加わることができる。審査員、主任審査員は正式な審査員として、企業の適合性審査を行うことができる。審査員資格の取得には、業務経験、研修、審査経験などにおいて詳細な資格基準がある。これら資格基準についてはISO 19011(マネジメントシステム監査のための指針)に準拠した内容となっている。

審査員の問題点

現在、審査員の「質」について問題視されるようになっている。審査能力のばらつき、規格解釈のばらつき、コンサルティング的な言動など、指摘される問題は多い。特に受審側の立場を考えると、どうしても審査員の指摘をそのまま受け容れざるを得ない心理が働き、結果的に自社にそぐわないシステムを構築してしまうケースは珍しくない。審査員と受審側は対等という原則を踏まえ、納得できない指摘に対しては反論することも必要であるし、その制度も確立している。

審査登録機関の選定と審査コスト

審査登録機関の選定

最初に確認すべき点は、当該機関が認定機関から認定を受けているかどうかである。認定を受けていない審査登録機関では、第三者審査として客観性、公平性に欠けるといわざるを得ない。ただし、日本国内だからといって必ずしもJAB認定機関である必要はない。JAB認定の有無については、「関連する機関の役割」の説明のように、ISO 9001であればIAF相互承認を締結している認定機関はJAB認定と同等であるし、IAF相互承認がないISO 14001にしても同様に判断して差し支えないだろう。要は国際的な審査スキームの中で、そのルールに則り、第三者機関としての信頼性、客観性、公平性を担保している機関を選ぶべきである。当該機関の認定状況を確認したら、次は審査登録機関の専門性に着目する。例えばJAB認定機関の場合、「認定範囲分類」で業種別に認定を受けている。したがって、自社と同業種の認定を受けている審査機関を選ぶことが次の条件となる。また、JABも各審査登録機関の業種別審査実績を調査・公表しているが、その中で同業種についての審査実績数も選定の目安とできる。あくまで参考ではあるが、やはり業種・業態特有の仕組みや用語を理解し、多くのケースを経験している機関であれば、企業の安心感・信頼感は増すだろう。ある程度、候補を絞り込めたら実際に面談することが望ましい。各機関の審査スタンス、専門性、審査費用などを確認したい。さらに可能であれば、実際に当該機関で受審した企業に話を聞いてみるのもいいだろう。

審査コスト

審査登録機関の選定について、最も気になるのは、やはり審査コストである。審査費用は、初回審査の場合、一般的に申請料金、基本料金、審査料金(文書審査・本審査)、交通費・宿泊費、登録料金などが発生する。申請料金は各機関固定であるが、基本料金、審査料金については、事業所の従業員数によって、審査工数が決まり、さらに程度によって変動する。

認証取得の流れ

審査準備

審査登録機関が決まり、申請が受理され、契約が締結されれば、いよいよ受審である。審査は、文書審査、現地審査、判定、登録の順で行われる。なお、不適合とは要求事項を満たしていないことを指し、メジャー(重大)、マイナー(軽微)、そして観察事項などのランクがある。メジャーな不適合であれば不合格となり、再審査となる。マイナーな不適合は是正が確認されれば、再審査の必要はない。

文書審査(本審査)

文書審査では、マニュアルを中心としたマネジメントシステム文書の審査である。要求事項がすべて盛り込まれているかどうか、不明確な点はないかなど詳細にチェックされる。

現地審査(本審査)

文書審査が終わると、現地審査を受ける。なお現地審査実施までに、受審側はシステムが3ヵ月以上運営されていること、内部監査が計画・運用され、その効果が示せること、マネジメントレビューが少なくとも1回は済んでいることが求められる。つまり、PDCAサイクルが一度は回った状態で、現地審査を受けなければならない。現地審査では、審査機関によって編成された審査チームによる審査範囲の担当者、関係者に対するインタビューにより、審査対象サイト内での観察、文書・記録類のチェックにより、システムとその実施状況が規格要求事項に適合しているかを審査するものである。

サーベイランス/更新審査

現地審査に合格すれば、晴れて認定証が発行されることとなる。しかし、ISOの審査登録はこれで終わりではない。規格要求事項では何度も維持・継続という言葉が出てくるとおり、企業は構築したマネジメントシステムを維持し、継続的に改善していく必要がある。そのため、サーベイランスと呼ばれる定期審査(年1~2回、選択は企業がする)、さらに更新審査(3年ごと)において、システムが継続して要求事項に適合し、かつ改善されているかを確認されることになる。